能の演目「熊野」から花の宴をイメージし、絹糸に桜の色をコチニール(天然染料)でグラデーションに染め分け、はなびらが舞い散る様子を絣で織り成しました。華やかな宴の場ですが、主人公の熊野は故郷にいる病の母を想い複雑な気持ちで舞を舞う、そのような心情をグラデーションの配色による変化と絣の技法を用いて表しています。具体的な絵ではなく経糸と緯糸の抽象的で制約がある中で、感動や織り表したい気持ちを真綿紬糸に込めて制作したいと思っています。
制作年 2021年
サイズ 幅140㎝×丈170㎝(仮仕立て)
材質・素材 絹(経糸 生糸、緯糸 手紡真綿糸)
主な技法 経緯絣 天然染料(コチニール)の染