TITLE

告朔餼羊

CREATOR

豊海健太

寸法 W70cm×H70cm×D0.5cm

漆芸

白で描かれている部分は卵の殻です。細かく砕いた卵殻を自身の新たなイメージで再構築し、素材のもつ物質的な強靭さや、元素的に共有するイメージを作品に組み込んでいます。「告朔餼羊(こくさくのきよう)」とは、古くから続いている習慣や年中行事は、理由もなく廃絶してはならないということのたとえです。魯の国では告朔(中国周の時代に行われた儀式で、毎月一日に羊を廟に供えて祖先を祭るもの)の儀式がすたれ、羊を供える形式だけが残り、「それでは無意味だから餼羊(告朔のときに供える生贄の羊)をやめるべき」と子貢が言うと、孔子は儀式がすたれるのを惜しんだという故事が伝わっています。伝統文化は時代によって、衰退や廃絶の危険性が孕んでいるかもしれません。しかし、変わらずに在り続ける文化を継承することは、人が原点に回帰する重要な手段であると考えます。

制作年         2020年
材質・素材   漆、卵殻、アルミ板
主な技法    卵殻技法

第77回金沢市工芸展 金沢市長奨励賞