五月頃、辺り一面白が浮立つように賑やかに咲く卯花を、つながりをあらわす‘mandala’の文様にあしらいました。
卯花と一定の規則性をもって旋回する‘mandala’のかけ合わせによって、全体に高揚感をあたえています。
技法的には加賀繍の緻密で繊細な技法に沿って、均しく美しい縒りの糸であること、針運びのリズムを一定にすすめること、暈しを多く入れ、色調の変化や自然な動きを出すことにもこだわりました。
また、本繍いの前に下地繍いを入れる肉入れという技法によって輪郭が浮き立つよう立体感を出しております。
制作年:2022年
材質・素材:絹
主な技法:肉入れ、刺し繍い、暈し技法
第78回金沢市工芸展 世界工芸都市宣言記念賞