今回は、国産絹糸を贅沢に使い、刺繍を宝石に見立てた作品を制作しました。絹糸の希少性と、加賀繍の奥行きを生む伝統技法を組み合わせ、宝石よりも価値のある刺繍作品を作ることができたと考えています。
技法では、昔から着物や帯に用いられてきた、加賀繍を代表する100種類以上ある技法の中から、絹糸がより引き立つ、2種類(肉入れ繡・上飾り繡)を厳選しました。
また、染色については、絹糸を独自の技法で染色し、4千色以上にも上る多彩な糸を使い分けています。表現しにくいわずかな色の違いや、イメージ通りの輝きを表現することができます。台座はシルバーを使用することで、絹糸の美しさをより引き立てられるような配色とし、形も滑らかく柔らかな印象に仕上げました。
第81回記念金沢市工芸展 金沢商工会議所会頭賞