TITLE

硝像 -精神分析-

CREATOR

高木基栄

 

ガラス

焼き物でオブジェ焼きと称し、彫刻的な作品を作った八木一夫氏。
その八木一夫氏の記念碑的な作品「ザムザ氏の散歩」を下敷きに制作しています。

吹きガラスで作ったパーツを組み合わせ、円環状のベースの骨組みを作り、さらに球体状のパーツをくっつけて形を作っている。

形状については、吹きガラスの作業の際にガラスが見せる「膨らむ」と「伸びる」という2つの要素を構成要素としている。
表面に見える紫色の斑点は、ガラスを膨らます前に粒状の色ガラスを表面に着ける事によってできるもので、ガラスが膨らめば色の粒は同じように膨らみ、ガラスが伸びれば色の粒は伸びて線になる。
この粒状の色ガラスは装飾の為にというよりは、柔らかいガラスの動きの軌跡を説明するものである。

特にハッキリと「これを作ろう!」と決める事なくスタートする制作は、ガラスを吹いていく事によってだんだんと形が決まっていって、作業の後、カマから出てきたガラス組み上げ、それを見る事によって「あぁ、ボクはこういう形が作りたかったんだなぁ」とようやく認識する。
タイトルである精神分析とは、作者であるボクの精神をガラスによって炙り出したもの という意味でつけている。