金沢・現代茶道具展「茶の時空間2025」

茶室や伝統的な家屋を会場に、金沢市工芸協会会員等による現代的な工芸品や茶道具を使用した展覧会、茶会を開催。 金沢に息づく工芸・茶の湯・庭園の文化の魅力を同時発信した。旧中村邸、西氏庭園、松涛庵、松風閣の4会場で開催。

(1)旧中村邸

金沢・現代茶道具「茶の時空間2025」継ぐ、ひらく100年
積層する時と茶のしつらえ

金沢市工芸協会100周年を記念し、本展では旧中村邸という歴史ある空間に、過去から現代、そして未来へとつながる金沢の工芸作家による茶道具を中心に取り合わせます。
金沢の地で育まれてきた工芸は、素材や技法の継承を超え、時代ごとの美意識と創意を映し出してきました。歴代の工芸家が紡いだ美しさと、現代の作家による新たな挑戦が、ひとつの茶席で出会うことで、積層する時間の記憶と可能性が交差し「茶の時空間」を立ち上げます。
一階では見立ての茶席のしつらえと若手作家作品を展示します。二階大広間では今回参加の工芸協会会員の作品を一堂に展示いたします。

ガレリア・ポンテ    代表  本山 陽子
金沢市立中村記念美術館 学芸員 齋藤 直子

令和7年11月8日(土)~16日(日)9:30~16:00
【作品選定】本山 陽子 氏(ガレリアポンテ代表)
      齋藤 直子 氏(金沢市立中村記念美術館学芸員)
【展示協力】Tesera

撮影 吉尾大輔/Daisuke Yoshio

(2)西氏庭園

弊店谷庄の初代・谷村庄兵衛は、加賀八家・長家の家臣の下級武士でした。
そして、ここ「長町」は長家の御屋敷があったことからその名称があるともいわれています。
 
このたび、金沢市工芸協会100周年を記念して開催される現代茶道具展「茶の時空間2025」にご協力させていただくにあたり、「長町」にあるこの素晴らしい西様の邸宅の展示担当ということに深い縁を感じました。
 
「茶室」というよりは「客間」として洗練された書院付の御座敷に、どのような展示をすべきか。しかも現代作家の作品で…。なかなかに難易度の高い課題に頭を悩ませましたが、遊びに来てくれた来客に、気の利いた御道具でさらりと一服差し上げるつもりで取り合わせました。
 
取り合わせの過程で、今まであまり深くお付き合いの無かった工芸作家さんともお話する機会を得て、作品に対する思いや制作へのこだわり、「茶の湯」への向き合い方など、いろいろとお話もさせていただきました。
普段、古美術を中心に取り扱っている私にとって、とても新鮮で興味深い体験で、多くの工芸作家さんが住まい、リアルに制作活動を行い、日本中、世界中から評価されているこの「金沢」というまちの特異性を再認識しました…と同時に「茶の湯」の側から工芸作家さんへのアプローチが、必ずしも十分ではないようにも感じました。
 
「工芸」と「茶の湯」。この二つは切っても切れない関係にあります。その双方が極めて洗練されたレベルで存在している「金沢」だからこそ、できること、あるいはしなくてはならないことが、まだまだたくさんあるように思いました。このまちの「工芸」と「茶の湯」がお互いに共鳴し合い、高め合い、世界から尊敬と羨望のまなざしで見られるようになることを願います。そのために我々茶の湯に携わる者たちも日々精進いたします。
 
金沢市工芸協会の次の100年が、更に光り輝いたものになることを祈念いたしております。

株式会社谷庄 代表取締役 谷村庄太郎

令和7年11月8日(土)、9日(日) (事前予約制)
①    10:00~10:30、②11:00~11:30、③13:00~13:30、④14:00~14:30、⑤15:00~15:30
定 員 各回10名
展覧会(入場無料)
【作品選定】谷村 庄太郎 氏(株式会社谷庄代表取締役)

撮影 吉尾大輔/Daisuke Yoshio

(3)松涛庵

当協会は、100年の長きにわたり地元の経済や文化、市民の皆様に支えていただきながら、連綿と受け継がれてきた伝統を踏まえ、工芸の分野を超えて切磋琢磨し、新たな工芸の創造に取り組んでまいりました。
本日は、元市長による金沢の豊かな風土や確かな気骨を感じさせる作品、400年近い伝統を今に受け継ぐ大樋焼から100年の節目にふさわしく紅白のめでたいとりあわせの作品など、我が国を代表する作家をはじめ、若手作家による世界を見据えた現代的な作品まで多彩な金沢の工芸でおもてなしをさせていただきます。
地域の伝統を未来につなげ、世界に開く美術館をのぞむお茶席で、金沢の歴史や今の文化を感じていただくとともに、このまちの工芸の未来に思いをはせながらひとときをお過ごしいただければ幸いです。

席主 金沢市工芸協会
運営 茶道裏千家淡交会石川青年部

松 涛 庵:令和7年11月8日(土) (立礼席・事前申込必要)
①11:30~12:30、②13:00~14:00、③14:00~15:00、④15:00~16:00
定 員 各回20名
【運営】茶道裏千家淡交会石川青年部

撮影 吉尾大輔/Daisuke Yoshio

(4)松風閣

金沢市工芸協会の100周年を記念する茶会で席主を務めますことを大変嬉しく、光栄に思っております。
藩政期の名残をとどめる松風閣及び金沢市指定名勝の庭園を会場にいたします。「本多の森」の一画をなす庭園の中央には「霞ヶ池」、その周りに木々が鬱蒼と茂り、奥山の景趣があります。
金沢は、茶会に使う道具を全てこの地で賄える稀有な土地柄です。多くの先人が遺した名品、佳品はもちろん、現代作家の手になる作品も伝統の技法を受け継ぎつつ、創意を凝らした個性的な品が揃っています。本席では、協会に所属する先生方の新しい作品を使っています。どの作家のどんな作品に出合うことができるか。庭園に晩秋の気配を感じながら、楽しんでいただければ幸いです。
本席が、当地の工芸文化の多彩さ、奥深さを改めて感じ取ることのできる、かけがえのない場となるよう願っています。

席主 茶道裏本家正教授 温井 宗敦

松風閣:令和7年11月9日(日) (事前申込必要)
①9:30~11:00、②11:00~12:30、③13:00~14:30、④14:30~16:00
定 員 各回20名
【席主】温井 宗敦 氏(茶道裏千家正教授)

撮影 吉尾大輔/Daisuke Yoshio