Teabowl & Vesselは陶磁器の絵付け技法を現代的に再解釈し構成した「Layer」シリーズの茶器作品である。陶磁器で原料を最大限発色させるには焼成温度を色、原料ごとに変更する必要がある。オブジェクト上に加飾するデザインをデジタル上で実際の焼成温度ごとにレイヤー分けをする。現代的且つ2次元的に作成した図案を陶磁素材へと反映させることでこの作品は古来より存在し長期的に形を残し得る陶磁器素材に現代の文化を反映させた記録物となる。「Layer」は、デジタル上で配置した図案を作者の手仕事によって描いているが、焼成のプロセスを経ることで形は歪み、丁寧に着色した線も縮れたり色が飛んだりしている。長期的に形を残し得る陶磁器素材によって、紙もデータもいつかは消えてしまう記録の「脆弱性」を表現している。
第81回記念金沢市工芸展 金沢市長奨励賞
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