TITLE

月影の匣

CREATOR

大坪直哉

寸法径11cm×高7.2cm

漆芸

白蝶貝の原貝を切り出し板状に加工していた際、ふと思い立って部屋の灯りを消し、月明かりだけで白蝶貝を見てみた。すると自らぼんやりと発光し闇に浮かび上がり、まるで月と共鳴しているように感じた。月と対比させるため、悠久の時を感じさせる有職文様の華紋を白蝶貝で表し、月が水面に映り込んでいるかのように平らな蓋天面に配置した。蝋燭の下で見る漆器の美しさは昔から言われているが、月明かりの下で見る漆器の美しさもあるのではないかと思う。内部は掛け子があり、全面金梨子地仕上げ。

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